『こちらあみ子』の森井勇介監督の新作!主演は前作に引き続き大沢一葉さん、そして綾瀬はるかさん。撮影は飯岡幸子さん、照明は秋山恵二郎さんという最強の布陣。
序盤から横移動の撮影に驚いた。飯岡さんって、カメラをあまり動かさずにじっと対象を見つめる人だと思っていたから、大胆な横移動撮影に少し驚いた。ちょっとウェスアンダーソンっぽい絵本のような画。
でも映画は絵本みたいに可愛くはなくて、のり子はひとりぼっちで、他者と関わりを持とうとしない。他者が怖い。というより興味が無いように見える。ある日、のり子は清掃の仕事でやって来た病院で患者の理映子と出会う。理映子に「姫路にいる娘をここに連れてきてほしい」と頼まれたのり子は、一人姫路へと向かう。のり子は娘のハルを見つけたが、ハルは山の中でローラースケートを履いて街中を滑走し秘密基地を作って遊ぶ、少し風変りな女の子。ハルはのり子を「トンボ」と名付けて、ハルとのり子ことトンボの二人は姫路の病院にいる母に会いに、時々不思議な人達と出会いながら、姫路から鳥取まで一本道の国道29号を進んでいく。
世界は優しくないけど、そこに住む人達は優しさをちゃんと持っていて、ただみんな優しいからこそ無常で不条理な世界に苦しんでいる。誰かが悪いわけじゃない、