岡田です。

2025.05.01

映写の仕事をし始めてもうすぐ1年。映写技師と名乗るには全く知識も経験も足りない見習いだけど、ほぼ毎日映画館や映写室にいる生活は楽しい。

映写室にいる間は基本1人で、特にフィルムを上映している時は常に映写室にいないといけない。状態の悪いフィルムを上映する時は映写機のそばにいて、逐一ちゃんと問題なく上映出来ているか確認する。映写室に籠っていると人とあまり話さないから社会から切り離されているような気がするけど、その分映画に近づけている気がする。

僕はいつまでこの仕事を続けられるのだろうか?映画館がある限り僕は映画館の人間でありたいけど、近年は上映も自動化されて映写室がない映画館も増えている。パソコンから遠隔でプロジェクターを操作出来て、スケジュールを組めば自動的に上映時間に映画が上映される。便利だし手間もかからないんだけど、やっぱり映写室がないのは寂しい。

映画を観ている時、こっそり後ろを向いて映写窓から放たれる光を見たり、上映が終わった後映写窓から見える映写機を覗いたりするのが僕は好きだ。天井から吊るされるプロジェクターで上映しているとそれが出来ない。35mm映写機やフィルムはもう生産されていないから、いづれフィルムも無くなって自動上映が主流になっていくのかもしれないけれど、やっぱりいつまでも映画館には映写室があってほしい。

配信で映画が観れて、必ずしも映画館で映画を観なくてもよくなった時代に、地方の映画館、特にミニシアターは次々に閉館していっている。地方でフィルムを上映している映画館も本当に限られている。権利が切れたりとかで映画館で上映されなくなった映画が配信で代わりに観れたりするから必ずしも悪いことだけではないのだけど、それでも、映画は映画館で観るものが映画だ!と僕は思う。飲み会でそんなことを言っていたらある人に原始人だなと言われた。